ユメタビ　-DIARY- RYOT

長居してしまった。

旅に長居は無用と思っていたけど、

ついつい長居してしまった。

旅に出てよかった。

出発してからまだ半月。

旅というものが何なのか

終着駅がどこにあるのか

そんなことはまだわからないけど、

旅に出てよかった。

そう思えるときがある。

ゴチャゴチャした生活の日本で

「旅にでます」というと、

「非現実的だ」と返される。

しかし、旅人が集まると、

どちらが現実的なのかがわからなくなるときがある。

みんな目的は違えど、同じ思いで旅をしている。

いわば仲間なんだ。

職を失い、未来がないと周りに思われることは

怖くなかった。

車を買って、家のローンを払い、

家族のために毎日満員電車に突撃する。

そんな生活も悪くはないが、

それに満足してしまう方がよっぽど怖かった。

そんな人がゴロゴロいる。

カンボジアのシェムリアップで過ごした１０日間は、

とても居心地のよいものだった。

日本人宿に泊まり、毎日のように学校つくりを手伝った。

日本人通しの馴れ合いが楽しかったんじゃない。

いい人とめぐり合い、貴重な体験をしたからだ。

旅人をつかまえて航空券を捨てさせても、みんなに慕われるリーダーのタケさん。

カンボジアの魅力を小出しで教えてくれる現地スタッフのサムさん。

アメーバ赤痢にかかってもいつも元気な旅人カオリちゃん。

日本人の女の子とコブクロが大好きな現地ガイドのアチョ。

しつこい客引き相手にも大人の応対をする、大人旅人ヨッシー。

泥水鉄砲を村の子供たちにくらい、病床についた旅人はじめちゃん。

優しくパワフルなアメフト出身、関西人の旅人のカネ。

京都の優しい織田信長と言われる旅人、マサミさん。

現地小学生をナンパしにいく旅人、エガ。

日本でもカンボジアでも活躍した元大工旅人、シン。

ダークな絵を描く美大生旅人、シンイチロウ。

少ないおかずで米６杯食べるダンサー旅人、シンヤ。

プノンペンで学校建設の勧誘をすすめる旅人、マドカさん。

ちんちん大好きなカップル旅人、リョータ＆ユマ

２０ｋｇ減量に励む旅人、タカコさん。

アチョに拉致されかけた旅人、マナミちゃん。

日本語しゃべれないのにアッシーとしてつきあってくれた現地トゥクトゥクドライバー、アンさん。

みんながいたから楽しかった。

誰か一人欠けてもダメだった。

旅は一期一会。

旅で楽しいことはたくさんある。

なにが楽しいか、やってみないとわからない。

旅で辛いことはひとつだけある。

それは別れ。

やってみなくてもわかる。

ボクらが過ごしたあの宿も

今日も新しい旅人が訪れ、

今日も旅人が出発していくだろう。

記憶は頭の中に。

思い出は心の中に。

みんな、どうかお元気で。

また逢う日まで。

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