ユメタビ　-DIARY- RYOT

聖なるガンガーのあるバラナシから
寝台列車でアーグラに向かった。

バラナシを出発する前夜に、宿の屋上にのぼり、
心地よい風をうけながらガンガーを眺めると
目の前に花火が打ちあがった。

幻ではない。紛れもない花火だ。

ボクの後ろの方でハッパを吸っている数人には
さぞかしキレイな花火が見れただろう。

まさかガンガーで花火を見れるとは思ってもいなかったから
これはボクを送ってくれているのかと思った。

だけどいざ電車でアーグラに行くぞいうときは雨だった。サイテー。

インドに入って、半月が経った。

「インド人はとにかくウザイ。」
「しつこくしつこく絡んでくるし、誰と話してもウソばっかりだ。」

と、旅人伝いで聞いていたのでかなり身構えて入国した。

だけど、実際そこまでの人には会っていなく、
むしろ心優しい人が多い気がする。

初めての場所でキョロキョロしていると
観光客目当て以外の人も「どうした？」と声をかけてくれて
親切に話に乗ってくれる。

「オ～マイフレンド～！どうした～？」

と話し始め、話をしていると
ワサワサと人が集まり始め、
あーでもないこーでもない
あっちがいいこっちがいいと
お腹いっぱい情報を教えてくれる。

果たしてその情報が正しいかはおいといて。

最後に「センキューマイフレンド！」と別れを告げると
インド人は嬉しそうに二カーッと笑い
「ノープロブレム」と応える。
どうも「マイフレンド」には言葉以上の何かがありそうな気がする。

インドに１ヶ月いればマイミクが５００人増えてもおかしくないかも。

人懐こくて、世話焼き。それがボクの実際に見たインド人のイメージ。

嫌いじゃない。

街中には様々なものを目にする。

左を見れば猿が毛づくろいをしていて、その横で犬が昼寝をしている。
右を見ればリスがヤギと遊んでいる。
前を見ると牛が道のど真ん中で寝ている。
遠くからラクダが歩いてくる。
その合間をリキシャが土ぼこりを巻き上げながらすれすれで走っている。

リキシャとはいわゆる人力車のことで、
通常のリキシャと、オートリキシャと呼ばれる
三輪のバイクのようなものがある。
どちらも運転手をリキシャワーラーという。

短距離であればリキシャで１０ルピー（２０円）くらいで
リーズナブルだがリキシャは坂道に弱い。
微妙な上り坂でも
「あーだめだーー」とアピールが始まり、
「すまん、降りて少し歩いてくれ」となってしまう。

汗だくになった痩せ細った爺さんリキシャワーラーの後ろに
ヒヨッコ同然のボクらが悠々と乗っているのも気が引ける。

あるときリキシャに乗った。
宿を出て５秒もせずに
「オー！マイフレンドーーリキシャ？」
と声をかけてきた男は見た目５０歳くらいだろうか。オジサンだ。

英語が第二外国語として根付いているインドでは
リキシャワーラーも英語で話が出来るから
とにかくやたらと話しかけてくる。

「お前達いつインドに来たんだ？」
「いつまでいるんだ？」
と聞かれその後に
「日本のどこだ？」
と聞かれるのがいつものパターン。

“日本のどこ”とは、出身を聞かれているわけだが
「東京？大阪？」と聞いてくるオヤジに
「東京だ！」というのはあまりに面白くない。

嘘をついた。

「鳥取だ！！鳥取を知っているか？」

すると予想外の答えを言われたリキシャワーラー。

おそらく全く分からないのだろう。

１０秒ほど無言になり、その後、ひらめいたようだ。

「オーそこには私のお婆ちゃんが住んでいて・・・」

・・・って、そんなわけねーーーーーーだろ！！！！

いいよーごめんよーー

ムリするなよーー

かわいすぎるだろーインド人。

街を歩くとインド人はみんな仲がいいなぁと感じる。
いや、仲良すぎ。マジで。

日本の夏とさほど変わらない気温で、
男同士で手をつないだり、肩を組んで歩いている。

何をするにも距離感は日本の７０パーセントオフ。
隣同士に座っているインド人の男二人は
タバコ一箱ほどの距離で話をしていた。
ちゅーしてるかと思った。

お金をたくさん持っている人からは
たくさんお金をもらう。

これはインド人も日本のサラリーマンも同じなんじゃないかな。

よく嘘をつくといわれるインド人。
客引きを断りたいときに
「もうホテルに戻って寝るから」と嘘をつく日本人のボク。

いったいどっちが嘘つきなんだ？

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